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アスベストによる健康被害救済金を、この時期みんなで負担しているという事実

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7月10日が期限の「労働保険概算・増加概算・確定保険料」の申告をしてきました。労働保険というのは「雇用保険と労災保険」を合わせた総称。この手続きは事業主や事務の方がされることが多いと思うのですが、実はこの手続きのなかで、あわせて石綿(アスベスト)健康被害救済のための「一般拠出金」というものを払っているのです。雇用保険は労使折半ですが、労災保険と石綿健康被害救済のための一般拠出金はすべて会社負担。

石綿による健康被害とその個々の健康被害の原因との因果関係を特定することが困難であること、すべての国民や事業主が石綿による恩恵を受けてきたことが理由で、労災保険適用のすべての事業主はこの費用を負担することとされているんですね。国からの交付金及び地方公共団体からの拠出金も被害救済のために使用されていますので、結果的には、全国民が負担しているということになります。

石綿健康被害救済ってどんなことをしてもらえるの?

医療費はもちろん、治療に伴う医療費以外の費用も支給してもらえます。葬祭にかかる費用や遺族に対する弔慰金なども給付されますし、労災補償を受けずに亡くなったご遺族で、時効によって遺族補償給付の支給が受けられない場合にも特別遺族年金として240万円/年が支給されるようになっています。

手続きはどこに?

全国の保健所

保健所等 : アスベスト(石綿)健康被害の救済 : 独立行政法人環境再生保全機構

環境省地方環境事務所

申請窓口 : アスベスト(石綿)健康被害の救済 : 独立行政法人環境再生保全機構

なお、フリーダイヤルで詳細を確認することも可能です。

より認められやすくなったアスベストが原因の肺がん基準

平成25年6月に法改正が行われ、アスベストが原因の肺がんが認定されやすくなりました。詳細は下記から。

石綿による健康被害の救済に関する法律における指定疾病に係る医学的判定に関する考え方等の改正について(通知)の概要(平成25年6月18日) : アスベスト(石綿)健康被害の救済

アスベストに関係する仕事をしていなくても、アスベストを扱う事業所や工場の近くに住んでいたというだけでも認定され、適切な給付や治療を受けられる可能性もあります。肺がんにはいくつかの種類があり、喫煙が主因でなりやすい癌とアスベストが原因でなりやすい癌の種類は(統計的に)違うことが多いようです。病気になったときのセカンドオピニオンを求める方は増えてきていますが、その原因について様々な可能性を探ることも、治療の選択肢を探るうえできっと大切なこと。

この時期、すべての労災保険適用事業(事実上、ひとを雇用しているすべての会社とお店です)がこの費用負担をしていることから、改めてアスベストに関する給付や費用負担について知ってもらうきっかけになれば…と、今日は表現に関することを離れてこんなことを書いてみました。肺がんは増え続けている病気。いつ、自分が、周囲の方が患ったとしても適切な治療・給付を受けられるよう、そういう仕組みになっているのだということを知っておいてもらえると幸いです。

※なお、本日お伝えした情報はあくまでも概略。詳細は上記問い合わせ先までお願いします。