「欲張りメニュー」という言葉の使い方に注意! ~「欲張り」と「貪欲」の違い
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最終更新日:2014/03/20
140文字で変わる経営, 140文字で変わる表現力 使い分け, 欲張りと貪欲
レストランのメニューを眺めていてもなかなか決めることが出来ない優柔不断な自分にとって、「欲張りコース」「欲張りメニュー」というアレもコレも盛られた商品はとても魅力的なものに感じられます。ところでこの「欲張り」という言葉の意味、実はお客様に向けて使うのは失礼になる可能性があるので注意が必要です。
「欲張り」という言葉は悪い意味だった
「欲張り」という言葉は、今では「欲張りさんだなぁ」「もう欲張りなんだから」などと冗談めかした口調で使われるようになってきていますが、元々は相手に対して使うと不遜な意味合いになってしまう言葉でした。
「欲張り」とは「欲が深い」という悪い意味
→「がめつい」と同意である
「欲張り」とは「欲が深い」という悪い意味で使われる言葉、「がめつい」という言葉と同意であると知っておくと、お客様に使うべきメニュー名として「欲張りランチ」「欲張りコース」などといった表現が適切でないことはご理解いただけるかと思います。
「がめつい」という言葉自体のニュアンスは感じ取っていただけると思いますが、「ケチ」「利に執着するさま」「利益に抜け目がない」などの意味があります。「欲張りコース」という言葉を直訳すると「利益に執着するどうしようもないケチなあなたのためのコース」なんて意味になってしまう可能性も!? 「欲張り」という言葉自体が一般的に使用されるようになっていますので、さすがにこんな極端な印象を与える可能性は稀でしょうが、心に留めておきたい言葉の一つではあります。
「欲張り」と「貪欲」の違い、使い分けについて
「欲張り」という言葉は「欲が深い」という悪いニュアンスを持つ言葉でした。似た言葉で「貪欲」という言葉がありますが、欲張りとは違って貪欲は良い意味でも使われることがあります。
「貪欲に知識を吸収する」「勉強会に参加する彼は、貪欲にインプットを積み重ねていった」など、プラスの意味合いのものを自分の知識や財産として得ていこうとする姿勢を表現するときに、この「貪欲」という言葉は用いられますね。「欲張り」は相手に対して使うと不遜で否定的な意味、「貪欲」は否定的な意味の場合にも肯定的な意味の場合にも用いられることを覚えておくと良いでしょう。
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