結婚式でピアノの演奏を頼まれたことがあります。
演奏直前、ジャケットの乱れをお手洗いに行って確かめていたところ、鏡に女性の姿が映りました。そう、僕がいたのは女性用トイレ。「あはは、間違えちゃったみたいでどうも」と、慌ててトイレを出ましたが、その女性、なんとピアノの真ん前のテーブルに座っていたのでした。末永い二人の幸せを願うための演奏が、僕にとって末永い思い出になってしまったことは言うでもありません。
末長く二人の幸せを祈ってはいけない理由
「長い」と「永い」が時間を表すときには、決定的な違いがあります。
「長い」は、時間に限りのあるときに使う
「永い」は、時間に限りのないとき(終わりのないとき)に使う
なるほど、「永遠の別れ」「永久に不滅」という言葉は確かに「終わりのない」意味ですね。それに対して「長い間待たせてごめん」「演奏の長い曲」という言い方をするときは、その時間が有限であることがわかります。
つまり、そう。
いつまでも終わりを迎えることなく、ずっと続いてほしい二人を祝福するときに使う言葉は「末永く」が適切なのです。末長くと書いてしまうと、漢字本来の意味として「そのうち終わるんだろうけれど、出来るだけ長く続くといいねぇ」というニュアンスになってしまいますので注意してください。
余談ですが、演奏時間の長い曲って?
ジェム・ファイナー:「ロングプレイヤー」 – 1,000年
ロンドンのThe O2で2000年1月1日から2999年12月31日まで演奏されている。
なんと1000年もの時間をかけて演奏されている曲(プロジェクト?)があるんですね。演奏が始まってすでに13年が経過していますが、1000年という時間の長さから考えると、それは「まだ」というほうが妥当でしょうか。
Longplayerこちらから、ストリーミングで聴くこともできるようです。どれだけ頑張っても最後までその演奏を聴くことが出来ないのだと思うと、なんだか不思議な気持ちになりますねぇ。
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