ツッコミを意識した言葉の選び方が会話を生み出す、その実践
公開日:
:
140文字で変わるコミュニケーション, 140文字で変わる表現力 キャッチ, ネーミング, ボケとツッコ
新しいクラス、職場、組織。最初はお互いのことがよくわからないなかで、次第に自分の居場所を見つけていく感覚。関西では特にボケとツッコミという役割がありますので、自分のボケなりツッコミなりの相性の合う相手を見つけられたときに、そんな安定を感じられるようになることがあります。
「めっちゃ暑いよなぁ、まだ5月やで」
「このまんま気温が上がると、12月のサンタは半袖やなぁ」
「なんでやねん」
「ちゃうねん、昨日、おかんがやらかしよってん」
「知らんがな」
(※関西では何故か、違うことはなにもないのに「違うのよ」という意味のちゃうねんから会話が始まることがあります)
ツッコミを入れてもらうことで、相手の想像力を駆り立てる
商品名やサービス名は効果や性能がわかりやすく、また印象に残りやすいものであれば言うことはありません。しかし、その特長を伝えんと、単なる説明になってしまっていることも多いのではないでしょうか。説明文は読んでくれた人には効果を伝えられますが、離れた場所にいる人を惹き付けるキャッチの効果はありません。わかっていても、なかなかそれを上手に表現できないんですけどね。
そういえば先日、記憶に関する本に、脳は声に出したことほど印象に残しやすいのだと書かれていました。なるほど、親御さんがお子さんなどを叱るとき「今度からはどうするのか言いなさい」と言うのも、そんな効果を自然と狙っているのかもしれませんね。
商品名や商品の意図しているところを、お客さん自身に声に出してもらったら最高なんだけどな、と考えていたところ、こんな商品を見つけました。
スーパーで思わずつぶやいてしまいましたよ。
「知らんがな!」
![]() 【お取り寄せ商品】×メール便不可×スプレーするだけで体感温度が下がる!? 「涼しいの何でか… |
伝えよう伝えようと思って、それが結局説明文になってしまうのであれば、こうして相手からのツッコミを引き出して想像力に委ねてしまうのも一つの方法のような気がします。純粋に楽しいですしね。ちなみにこの商品、本当に体感温度が下がりました(買いました)。
引き算の先に、相手の想像力は生まれる。
ツッコミを引き出せたとき、相手との会話は始まっている
ユニークな商品名やサービス名は(こんなユニークな商品を世に送り出すだなんて、勇気のある会社だなぁ)と、その風通しのいい社風さえ伝える効果があるのかもしれません。大胆な冒険には勇気が必要ですが、クチコミの起こりやすいこんな時代、その勇気が新しい景色に誘ってくれる可能性を否定してしまうのは勿体ないですよね。
▼関連の深いこちらの記事もどうぞ▼
関連記事
-
-
【気付きの法則】誰でも知っているようなことが、まだ見ぬお客様に届いた日。
JRの車内広告で、こんなものを見つけました。 制汗剤というと、夏のイメージ。 冬の売れ行きを
-
-
「地獄の釜の蓋も開く」の意味 ~地獄に繋がる京都のお寺「六道珍皇寺」
正月の16日やお盆の16日は罪人を煮る地獄の釜の蓋も開きっぱなし。「地獄の釜の蓋も開く」とは、鬼たち
-
-
辞書だって変化する! 「敷居が高い=高級そうで入りにくい=誤用」の意味が広辞苑第七版では改められた!
以前、「敷居が高い=不義理があってその人の家に行きにくい」が正しい意味で、「敷居が高い=高級そうでそ
-
-
「ご賞味ください」は使ってはいけない言葉 ~「お召し上がりください」の意味と使い分け
飲食店や土産屋さんで「どうぞご賞味ください」と言いながらお客様に商品や試食品を提供している場面を見か
-
-
「時」と「とき」の使い分け ~困ったときに思い出したいその区別
時のまち、明石からお届けしているコトバノ。 明石市を通る東経135度の経度が日本標準時
-
-
【問題】ある回転寿司屋さんから届いたDMハガキの謎【考えてね】
今日は、問題をひとつ。 ある回転寿司屋さんは、これまで、アンケートにお答えいただいたお客様に定
-
-
結婚式のタブー、使ってはいけない言葉 ~挨拶やスピーチで使ってはいけない忌み言葉一覧
結婚式などの祝いの席では「終わり」や「繰り返し」を連想させるような忌み言葉を使ってはいけないとされて
-
-
扁桃腺の「扁桃」の由来
疲れがたまってくると扁桃炎に。最近ずっと不調だった喉が爆発して、今日は大人しく寝込んでいます。割り切
-
-
「遺憾に思う」「遺憾の意」に謝罪の意味は含まれていない?
「ありがとう」と「ごめんなさい」という言葉を素直に言える人って素敵ですよね。謝る状況になっているとい
-
-
パソコンで使うマウスとミッキーマウスの不思議な関係 ~腱鞘炎防止のためのマウス
自分よりもずいぶん若い方と話をしていた時のことです。 「マウスの玉って、すぐにカスが溜