書籍「ブログ飯 個性を収入に変える生き方」の感想 ~起業する人・経営者も知っておきたいおもてなしの心
ブログ飯 個性を収入に変える生き方[染谷昌利著]を読みました。
2013年6月21日に著書「ブログ飯 個性を収入に変える生き方」が発売されます(たぶん) | Someya Masatoshi.jp
学ぶことが多かったので、メモもたくさん♪
ブログで収益を上げていくノウハウ集かな…と思いきや
ブログ論にありがちなツールやサイトの紹介がほとんどありません。ブログを書くことで家族を養っていくことになった経緯、その後に取り組んだ戦略について冒頭に書かれていますが、ブログ飯 個性を収入に変える生き方ではどちらかといえば、ブログの読者に喜んでもらうために自分が意識することは何なのか。つまり、お客様の気持ちから逆算して継続するべきことは何なのかという、起業家や経営者、サービスに携わるすべての人が知っておくべき基本的姿勢についてヒントとなることが数多くまとめられていました。
商品ひとつを紹介することにしてもそう。「売れたらいいな」ではなく、「読んでいて楽しいと思ってもらうためにはどうすればいいのかな」という発想から始めることは、商売をしている人間にとっても大切な考え方です。
目先を追いかけない・SEOを意識しない
ホームページやブログを運営していると、そのアクセス数が気になってしまうところ。しかしブログ飯 個性を収入に変える生き方では、その暇があれば、読者によって有益な記事を書くことに時間を費やそうと提唱しています。
数は大事だけれど、そこに経験から滲み出る人間性がなければコンテンツとしての面白味がない
文章を読むには検索エンジンというロボットではなく、人間である
挫折をしないために、たとえばブログであれば、最初の一か月はアクセス数を見ない・3か月は続けて記事が100程度出来るまでは継続するという記述も。人間は分相応の失敗しかしないし、失敗し続けることこそ難しい、だから日々のトレーニングで独自性を土台を創っていこうということも書かれています。
一番リスクの少ないお金の使い方とは
商売をしている人間は、お金を回すことが経済を循環させていく一番の方法であることを体感しています。しかし、そのお金の使い方が浪費になってしまっては意味がありません。ブログ飯 個性を収入に変える生き方は、収益は自己投資に回して、お金を使う経験を増やそう。自分への投資は確実に身になり、そしてリスクが少ないと書いています。
また、ブログの中で何かを伝えたいとき、それは足で稼いだ情報、自腹を切った情報を、リアルの友人を思い浮かべながら記述することが大切であるということも。確かにそうですね、その伝えたい情報や商品、サービスの対象がはっきりしないままに表現したところで、それは宙を泳いだ言葉の塊。書くべきテーマと目的が決まったら、「なぜ・だれに・どのように」伝えるか、それを考えることは、まさにマーケティングの視点そのもので、自分のような会社を経営する人間にとっても、はっとさせられる内容でした。
成果を上げる人と上げない人の違いは何?
これもブログに限った話ではありませんが。
成果を上げる人は、情報に自分の見解という価値を添える
成果を上げない人は、情報を横流しする
商売をしていると、実際に名刺交換をした方からメールマガジンやニュースレターの形で様々な情報が寄せられるようになります。毎月いくつもの「情報らしきもの」が届くなかで、印象に残るのは情報そのものではなく、それを取り上げた方の人間性と見解。「こういうことがありました」ではなく「こういうことがあって、私はこんな風に思いました」という一言があるのとないのとでは、その人に対する評価もまるで違ってきます。
ただきっと、そこに添えるものは難しいものである必要はないと思うのです。ほんの一言の感想でもいい、なんらかの喜怒哀楽を添えることが人間性を伝えるうえで重要だと思うのですが、いかがでしょうか。
与えることで与えられる
ブログ飯 個性を収入に変える生き方の中で、ある本屋さんのことが紹介されていました。
清水克衛店長をはじめとする各スタッフのみなさんは、ベストセラーでもない書籍に大変精通していらっしゃるのだとか。「こういう本があるよ」という情報を知りたくて、ネット書店全盛のこの時代でも、たくさんのお客さんが足を運ばれるそうです。
これは惜しみなく情報を与えていくことで、結果、商売としての見返りも得ることが出来るという一つの事例ですが、ブログなどの情報発信でも同じことが言えるということを書かれています。与えること、与えること、与えることで、与えらえる。結果を先に求めるのではなく、まずは喜んでもらえることは何かということを突き詰めていく。冒頭でも書いた通り、それがブログを継続する上でも商売をしていくことでも大切なことなのですね。
起業家、経営者、商売をしている人、サービス業のすべての人に
この本はブログを継続するための心がけはもちろんですが、すべての表現はお客さんのためにあるということを教えてくれているようでもあり、ブロガーのみならず、起業を考えている人や経営者、すべての商売を営む人たちにも是非読んでほしいと思いました。そう、これは自分自身がいつも経営者の勉強会に参加していて思うことなのですが、日本の経営哲学は製造業から派生したものが圧倒的に多く、マーケティングやおもてなしの心を採りこんだものは、まだまだ絵に描いた餅であるものが多いような気がするのです。
ブログという発信、そして対話の場所のなかで自己を表現していくことが相手の気持ちに触れていくことなのであれば、これはまさに、モノではなくコトを売る人間にとって最適なトレーニングに他なりません。
相手の気持ちに触れる、届ける。
つまり「思いやる」
そのトレーニングにブログは最適な手段である
ブログというものを継続していく意味と重要性について、改めて考えさせられる一冊となりました。オススメです。
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