暑中見舞いや年賀状に句読点があってはならない理由と、一文字下げをしてはならない理由について
公開日:
:
最終更新日:2019/02/10
140文字で変わるコミュニケーション, 140文字で変わる表現力 タブー, 句読点, 年賀状, 挨拶状, 暑中見舞, 書き方, 賞状
賞状や証書の類を見ていると、その文面に句読点のないことに気がつきます。また、段落の最初が一文字空いていないこともわかりますね。
今回は、年賀状や暑中見舞いに句読点があってはならない理由、段落の最初を一文字下げてはいけない理由について紹介します。
日本語には元々、句読点は存在しませんでした。
識字教育(読み書き)の進んでいく歴史のなかで、句読点はどんな人にでも文章の切れ目がわかりやすいように付けられるようになってきた経緯があるんですね。
ニュアンスとしては「ほら、こうして句読点があれば読みやすいでしょう?」という先生的スタンス。ですので、相手に敬意を示すべき挨拶状や賞状といった文書では句読点を用いることは失礼にあたるのです。
慶事の挨拶状など、喜ばしい出来事は続いた方が良いので、区切りをつけないという意味合いでも句読点は用いない方が好ましいとされています。
相手に敬意を示すべき挨拶状や賞状といった文書では句読点を用いることは失礼にあたる
ただし、あくまでもこれらは建前。
厳密に使ってはいけないというのではなく、こういう歴史的な経緯があるので句読点の使い方には気をつけた方がいいのかも・・・という程度の認識で大丈夫だと思います。
ちなみに「読みやすくすること」が句読点の役割であることを考えれば、段落下げも同じ意味合い。賞状や証書の文書が一文字下げることなく、文頭揃いで始まっていることも相手に対する敬意であることを知っておくと、書類の読み方も面白くなるかもしれませんね。
【2013/6/15追記】
暑中見舞いと残暑見舞いに関する次の記事も書きました。ご覧いただけると嬉しいです!
暑中見舞いと残暑見舞いを送る時期 ~「お身体ご自愛ください」は使わない! | コトバノ
【2014/10/27追記】
年賀状に「去年」という言葉を使ってはいけない理由も追加しました。
年賀状に「去年」という言葉を使ってはいけない理由 ~年賀状のタブーに注意 | コトバノ
夏日と真夏日、猛暑日と酷暑日、熱帯夜の定義と違いについて
夏日と真夏日、猛暑日と酷暑日、熱帯夜の定義と違いについて
夏日と真夏日、猛暑日と酷暑日、熱帯夜の定義と違いについて紹介しています。あわせて「ご自愛ください」という表現や、暑中見舞い、残暑見舞いを送る時期、それぞれの手紙に句読点は用いない方がいい理由について解説しています。
季節の話題つながりということで「夏日と真夏日、猛暑日と酷暑日、熱帯夜の定義と違いについて」も紹介しておきますね。
(2018/7/1追記)
▼関連の深いこちらの記事もどうぞ▼
関連記事
-
-
自分を思えば、我慢できること。相手を想えば、我慢してはいけないこと。
昨日はブロック会にお集まりいただいて、ありがとうございました。 万人に受け入れられる方法って、ない
-
-
「うがった見方」とは? ~「穿つ(うがつ)」の誤用と正しい意味と
「君はうがった見方ばかりをするね、素直じゃない」 「うがった」「穿つ(うがつ)」という言葉は、
-
-
「弊社」と「当社」の意味の違いと使い分け ~抗議のときは「当社」を使う!
私たちの会社という意味を表す熟語に「弊社」「当社」という言葉があります。今回はこの「弊社」と「当社」
-
-
ツッコミを意識した言葉の選び方が会話を生み出す、その実践
新しいクラス、職場、組織。最初はお互いのことがよくわからないなかで、次第に自分の居場所を見つけていく
-
-
「お勧め」と「お薦め」と「お奨め」の違い、使い分けと覚え方について
「お勧め」と「お薦め」と「お奨め」は、その使い分けが難しく、平仮名やカタカナで「おすすめ」「オススメ
-
-
マクドナルドのドライブスルーに求めるもの 〜お客さんは何を期待しているか
商品やサービスに対する期待値を上げることは大切。たとえばお店の外観、メニュー、パッケージ。それらすべ
-
-
「敷居が高い」の本来の意味と誤用 ~レベルが高い、自分には合わないという意味ではない
雰囲気の良いお店などを見つけたとき「あのお店は敷居が高すぎて入るのを躊躇してしまう」という表現をする
-
-
「弱冠18歳にして金メダルを受賞」という表現が間違いである理由 ~なぜ金メダルは純金ではないのか
折り紙の「金紙」「銀紙」は勿体なくて、それで何かを作ったという記憶がほとんどありません。好み
-
-
【気付きの法則】誰でも知っているようなことが、まだ見ぬお客様に届いた日。
JRの車内広告で、こんなものを見つけました。 制汗剤というと、夏のイメージ。 冬の売れ行きを
-
-
「時」と「とき」の使い分け ~困ったときに思い出したいその区別
時のまち、明石からお届けしているコトバノ。 明石市を通る東経135度の経度が日本標準時