賞状や証書の類を見ていると、その文面に句読点のないことに気がつきます。また、段落の最初が一文字空いていないこともわかりますね。
今回は、年賀状や暑中見舞いに句読点があってはならない理由、段落の最初を一文字下げてはいけない理由について紹介します。
日本語には元々、句読点は存在しませんでした。
識字教育(読み書き)の進んでいく歴史のなかで、句読点はどんな人にでも文章の切れ目がわかりやすいように付けられるようになってきた経緯があるんですね。
ニュアンスとしては「ほら、こうして句読点があれば読みやすいでしょう?」という先生的スタンス。ですので、相手に敬意を示すべき挨拶状や賞状といった文書では句読点を用いることは失礼にあたるのです。
慶事の挨拶状など、喜ばしい出来事は続いた方が良いので、区切りをつけないという意味合いでも句読点は用いない方が好ましいとされています。
相手に敬意を示すべき挨拶状や賞状といった文書では句読点を用いることは失礼にあたる
ただし、あくまでもこれらは建前。
厳密に使ってはいけないというのではなく、こういう歴史的な経緯があるので句読点の使い方には気をつけた方がいいのかも・・・という程度の認識で大丈夫だと思います。
ちなみに「読みやすくすること」が句読点の役割であることを考えれば、段落下げも同じ意味合い。賞状や証書の文書が一文字下げることなく、文頭揃いで始まっていることも相手に対する敬意であることを知っておくと、書類の読み方も面白くなるかもしれませんね。
【2013/6/15追記】
暑中見舞いと残暑見舞いに関する次の記事も書きました。ご覧いただけると嬉しいです!
暑中見舞いと残暑見舞いを送る時期 ~「お身体ご自愛ください」は使わない! | コトバノ【2014/10/27追記】
年賀状に「去年」という言葉を使ってはいけない理由も追加しました。
年賀状に「去年」という言葉を使ってはいけない理由 ~年賀状のタブーに注意 | コトバノ夏日と真夏日、猛暑日と酷暑日、熱帯夜の定義と違いについて
夏日と真夏日、猛暑日と酷暑日、熱帯夜の定義と違いについて
夏日と真夏日、猛暑日と酷暑日、熱帯夜の定義と違いについて紹介しています。あわせて「ご自愛ください」という表現や、暑中見舞い、残暑見舞いを送る時期、それぞれの手紙に句読点は用いない方がいい理由について解説しています。
季節の話題つながりということで「夏日と真夏日、猛暑日と酷暑日、熱帯夜の定義と違いについて」も紹介しておきますね。
(2018/7/1追記)