「頭が下がる」と「頭が上がらない」は、その動作状態を想像する限りは同じような印象を受けますが、実際は大きく意味が異なります。頭が下がると頭が上がらないの意味の違いと使い分けについてまとめてみましょう。
「頭が下がる」と「頭が上がらない」の意味の違いと使い分けについて
「頭が下がる」と「頭が上がらない」の違い。ポイントは「頭が下がる」という言葉は動作で、「頭が上がらない」という言葉は状態であるという点です。
頭が下がるの意味は
敬服しないではいられない。感服する。
頭が上がらないの意味は
相手の力や権威に圧倒されたり、負い目があったりして対等に振る舞えない
「頭が下がる」の意味は感服する、尊敬するで「頭が上がらない」の意味は対等ではいられないとなります。
頭が下がっていくという動きを想像してください。元々は高い位置にある頭が下がっていく……つまりそう、これは「お辞儀」と同じこと。お辞儀というのは大なり小なり相手への敬意をもって行うものですよね。だから「頭が下がる」は感服するという意味になるわけです。
同級生や同僚、普段は対等な立場にいる人が何か立派なことをしていたとします。朝の掃除、人助け、ボランティア活動etc… そんな光景を目の当たりにして、自然と「すばらしいな」と思うことを「頭が下がる」と表現します。
それに対して「頭が上がらない」とは、最初から頭の位置が低いところにあるということ。分かりやすく極端に言えば、自分が下で相手が上という優劣の関係にあるという状態を表します。
たとえば、相手が恩人だったらどうでしょうか。恩義のある上司や先生は、普段から対等な関係というのではなく、上の位置にありますよね。あるいは友人でも、お金を借りていたり負い目があったりするとどうでしょう?
このように、相手が上の位置にあると「自分なんて、とてもじゃないけれど及ばない」という感覚になるわけです。この「彼(彼女)には及ばない」というのが「頭が上がらない」の意味になります。
なお「負い目がある」という言葉の意味についても紹介していますので、参考にしてください。
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「頭が下がる」と「頭が上がらない」の意味の違いについて、まとめ
「頭が下がる」と「頭が上がらない」は、頭の動きと位置を考えると、その使い分けのイメージがわかりやすくなります。
普段は高いところにある頭がお辞儀のように下がっていくから「相手のことを尊敬する」、そして最初から頭が低い位置にあるから「自分なんて及ばない」となる。言葉は言葉として覚えるのでなく、その成り立ちをイメージするとわかりやすくなるということですね。