「雨のため本日の試合は順延になりました」「今日の試合は天候不良により延期になりました」という使い方は問題ありませんが「本日の試合は3日後に順延になりました」という表現で用いる順延は誤用になります。
今回は「順延」と「延期」の使い分けについてご紹介します。
「順延」の意味と誤用に注意! 「順延」と「延期」の使い分け方とは
3日後に順延になったという表現が誤用である理由は、順延という言葉が順繰りに期日を延ばしていくことを意味するからです。
「順延」は順繰りに期日を延ばしていく意味
今日の次は明日に、明日の次は明後日にと延期されていくこと
順延という言葉は順繰りに期日を延ばしていく意味。今日の試合が中止になったのであれば、その試合は明日に延期となります。このように「今日が駄目なら明日に、明日が駄目なら明後日に」という一定の期日ごとに先送りされていく状態を「順延」と言います。
今日の試合が雨で中止になり、3日後や5日後など、間隔に規則性がない場合には順延という言葉を用いずに「延期」を用います(規則性がある場合に「延期」を用いることも可能)。
まとめると、以下の通りになります。
〇今日の試合は明日に順延になった
×今日の試合は3日後に順延になった
〇今日の試合は明日に延期になった
〇今日の試合は3日後に延期になった
なお、「順延」という言葉は先送りされていく間隔に規則性がある場合に用いることが可能なので、たとえば、毎週日曜日に試合が行われている場合などに使うことはできます。
〇今日の試合は次の日曜日に順延になった
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明らかな誤りというわけではありませんが、公的な文書ではこのような使い分けをすることがルールになっています。どうぞ参考程度にご覧になってみてくださいね。