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「佳境に入る」「佳境を迎える」という表現の意味と使い方、誤用について ~仕事が佳境を迎えた、とは!?

kagetsu
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「みかんの収穫が佳境を迎えた」という風に用いられる「佳境」という言葉は、「みかんの収穫がもっとも忙しい時期になってきた」という意味として用いられますが、今回はこの「佳境」という言葉の意味と使い方、誤用について紹介をします。

「佳境に入る」「佳境を迎える」という言葉の意味と誤用について

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「佳境に入る」「佳境を迎える」の「佳境」には「興味深いところ」「面白い場面」という意味があります。

「佳境に入る」「佳境を迎える」の「佳境」は「興味深いところ」「面白い場面」という意味
程度のピークを表す意味は(元々は)なかった

「佳境に入る」「佳境をを迎える」の「佳境」という言葉には「面白い場面」という意味があり、「佳境」には置かれている状況が山場であったりピークを迎えているという意味はありません「佳境に入る」「佳境を迎える」という言葉に、補説として「最盛期」という使い方を紹介する辞書や学説なども増えてきています。そのため「忙しさがピークを迎えた」というような意味合いで使ったとしても、問題にはならないというのが通説になりつつあると考えても良いでしょう。

気を付けてほしいのは、出版やメディア関係のお仕事をされている場合。「補説」というのは、あくまでも「参考程度にこんな言葉の使われ方も一般的になりつつますよ」という、参考の指針とするべき程度のもの。元々の「佳境」には「程度がピークを迎えた」という意味はありませんので、公的な場面では「佳境を迎える」という表現の使い方には注意が必要です(出版社や新聞社などでは、程度がピークを迎えたという意味での「佳境を迎える」という表現をNGとしているところが多くあります)

「佳境に入る」「佳境を迎える」の「佳境」、その「佳」という文字の意味と由来は?

「佳境」の「佳」という字は、「佳作」「佳客」「佳会」「佳景」「佳月」などに用いられることからもわかるとおり、優れて良いこと、美しいことという意味を持ちます。

「佳境に入る」「佳境を迎える」というのは、すなわち、良い場面であるということ。そこから転じて「興味深い」「面白い場面」という意味で使われるようになりました。

「佳」の「圭」という字は「土」という字がふたつ連なっていて、整った印象を与えます。そこから由来して、「佳」=「美しい人」という意味を持ち、「美しいもの」への総称として使われるようになったのです。