「旅行に行ってお土産を買ってきましたので、これ、おすそ分けです」「田舎からたくさん果物が送られてきましたので、おすそ分けします」という風に使われるお裾分け(おすそわけ)という言葉ですが、使い方を誤ると失礼な表現になってしまう可能性があります。
お裾分け(おすそわけ)の意味と使い方、誤用。目上の人に使うとどうなる?
お裾分けという言葉はもらったものを他の人に分け与えるという意味ですが、お裾分けという言葉を目上の人に使うのは失礼な表現として受け止められてしまう可能性があります。
お裾分け(おすそわけ)はもらったものを他の人に分け与えるという意味
目上の人に使うのは失礼にあたる
お裾分けという言葉で使われる「すそ」とは、着物のすそのこと。地面に触れそうな場所にある生地のことを想像してください。自分の身体の中心から離れて、汚れやすい場所にある生地のことなので「つまらないもの」という意味になります。
つまらないものと書いてあえて謙遜の意味を伝えることもありますが、「おすそ分けする」という表現を用いるときは「誰かからもらったものを、さらに誰かに分ける」という状況になっているはず。人からもらったものをつまらないと表現し、そのつまらないものを目上の人に分けて配るというのはやはり失礼であると言えるでしょう。
お裾分け(おすそわけ)という言葉は、上下関係のあるデリケートな場面では用いないほうが無難であると言えそうです。
お裾分け(おすそわけ)という言葉の代わりに用いるべき表現は?
お裾分け(おすそわけ)という言葉ほど馴染みはないかもしれませんが、人からいただいた幸せを分けるという意味で「お福分け」という表現があります。
この表現は、何かをくれた方に対しても、それを配る相手に対しても失礼になりません。「お福分け」という言葉、積極的に使うようにしたいですね。
「つまらないものですが」という表現についてもおさらいしておこう
「つまらないものですが」「粗品ではございますが」という表現についても、その使い方について以前このような記事を書きました。
「粗品」「つまらないものですが」という言葉は使わないほうがいいのか? ~選んで贈る緊張に
奥ゆかしい表現を使うことが美徳であるとされる日本語ですが、度が過ぎると嫌味になってしまう可能性も。「粗品」という言葉を使わない方がいい場面、使った方がいい場面を紹介しています。
奥ゆかしい表現は美徳ではありますが、使い方を誤ると失礼になってしまうことがあります。連休などの休暇明けはこのような表現を使うことも増えるのではないでしょうか。いま一度、これらの言葉の使い方について確認をしておきたいですね。