あることが繰り返し行われたり、あらわれたりする度合いのことを「頻度(ひんど)」と言います。
今回はこの「頻度」という言葉のあとに続く表現について整理します。たとえば利用頻度という言葉。「利用頻度が高い」のか「利用頻度が大きい」のか、または「利用頻度は低い」のか「利用頻度は小さい」のか。さて、正解は?
「利用頻度は高い」のか「利用頻度は大きい」のか、または「利用頻度は低い」のか「利用頻度は小さい」のか
利用頻度が大きい、利用頻度が小さいという用い方は誤り。利用頻度が高い、利用頻度が低いという表現が正しい使い方になります。
頻度という言葉のあとに続くのは「高い、低い」が正解
頻度が大きい、頻度が小さいという用い方は誤り
温度、湿度といったものに代表されるように、「度」のつく言葉の多くは「高い・低い」で表されます。「温度が高い」という言葉には馴染みがあって「温度が大きい」という言葉には違和感を覚えると思うので、頻度が高いか大きいか、どちらが正しいか分からなくなったときは、まずこの「温度が高い」という表現を思い出してみると良いでしょう。「温度」の「度」から「頻度」をつなげて思い出す。度のつく言葉は高い、低いと覚えても良いのですが、知識として覚えるのではなく、馴染みのある言葉に置き換えた方が思い出しやすくなります。
「度」のつく言葉のすべてが「高い」「低い」になるわけではない、その例外
頻度という言葉など、「度」のあとに続く言葉は「高い、低い」になるということを紹介しましたが、その例外もあります。
たとえば地震の揺れを表す「震度」。震度は「大きい、小さい」で表します。「大きい震度」「低い震度」「震度が大きい」「震度が低い」。
ほかには「角度」という言葉も「高い、低い」を用いません。「角度が大きい」「角度は小さい」。
基本的なルールとして「度」のつく言葉には「高い・低い」が続くことが多いのですが、このように例外もいくつかあります。また、コロケーション(言葉の相性)は変化をしますので、言葉に厳格性が求められる場合を除いて、これらの言葉の組み合わせを正解不正解と言いきってしまうところには議論もあることでしょう。
「度」の表すものが「数値」なのか「程度」なのかで、そのあとに続く言葉が「高い低い」なのか「それ以外」なのか区別する方法もありますが、とりあえず今回は「頻度」についてのお話。頻度に続く言葉は「高い、低い」であるということを「温度が高い」という言葉を使って覚えると良いということをご紹介して、終わりにしたいと思います。
ここでは,前者は「数値」あるいは「度合い」,後者は「度合い」あるいは「程度」などという言葉を挟んで考えてみると,より明解に,どちらも「高い」といえる,と判断がつきやすくなるのではないでしょうか。