利用頻度は高い?大きい? 頻度は高いのか大きいのか、低いのか小さいのか、正しい使い方と覚え方
公開日:
:
140文字で変わる表現力 使い方, 覚え方, 誤用, 頻度
あることが繰り返し行われたり、あらわれたりする度合いのことを「頻度(ひんど)」と言います。
今回はこの「頻度」という言葉のあとに続く表現について整理します。たとえば利用頻度という言葉。「利用頻度が高い」のか「利用頻度が大きい」のか、または「利用頻度は低い」のか「利用頻度は小さい」のか。さて、正解は?
「利用頻度は高い」のか「利用頻度は大きい」のか、または「利用頻度は低い」のか「利用頻度は小さい」のか
利用頻度が大きい、利用頻度が小さいという用い方は誤り。利用頻度が高い、利用頻度が低いという表現が正しい使い方になります。
頻度という言葉のあとに続くのは「高い、低い」が正解
頻度が大きい、頻度が小さいという用い方は誤り
温度、湿度といったものに代表されるように、「度」のつく言葉の多くは「高い・低い」で表されます。「温度が高い」という言葉には馴染みがあって「温度が大きい」という言葉には違和感を覚えると思うので、頻度が高いか大きいか、どちらが正しいか分からなくなったときは、まずこの「温度が高い」という表現を思い出してみると良いでしょう。「温度」の「度」から「頻度」をつなげて思い出す。度のつく言葉は高い、低いと覚えても良いのですが、知識として覚えるのではなく、馴染みのある言葉に置き換えた方が思い出しやすくなります。
「度」のつく言葉のすべてが「高い」「低い」になるわけではない、その例外
頻度という言葉など、「度」のあとに続く言葉は「高い、低い」になるということを紹介しましたが、その例外もあります。
たとえば地震の揺れを表す「震度」。震度は「大きい、小さい」で表します。「大きい震度」「低い震度」「震度が大きい」「震度が低い」。
ほかには「角度」という言葉も「高い、低い」を用いません。「角度が大きい」「角度は小さい」。
基本的なルールとして「度」のつく言葉には「高い・低い」が続くことが多いのですが、このように例外もいくつかあります。また、コロケーション(言葉の相性)は変化をしますので、言葉に厳格性が求められる場合を除いて、これらの言葉の組み合わせを正解不正解と言いきってしまうところには議論もあることでしょう。
「度」の表すものが「数値」なのか「程度」なのかで、そのあとに続く言葉が「高い低い」なのか「それ以外」なのか区別する方法もありますが、とりあえず今回は「頻度」についてのお話。頻度に続く言葉は「高い、低い」であるということを「温度が高い」という言葉を使って覚えると良いということをご紹介して、終わりにしたいと思います。
ここでは,前者は「数値」あるいは「度合い」,後者は「度合い」あるいは「程度」などという言葉を挟んで考えてみると,より明解に,どちらも「高い」といえる,と判断がつきやすくなるのではないでしょうか。
▼関連の深いこちらの記事もどうぞ▼
関連記事
-
-
豹変するという言葉に悪い意味はなかった! ~送り狼とは何か?
豹![/caption] 太陽に焦げていたアスファルトがひとやすみ。忙しそうに行き交う人たち
-
-
「地獄の釜の蓋も開く」の意味 ~地獄に繋がる京都のお寺「六道珍皇寺」
正月の16日やお盆の16日は罪人を煮る地獄の釜の蓋も開きっぱなし。「地獄の釜の蓋も開く」とは、鬼たち
-
-
俳句と川柳の違いとは ~行間を想像させるスキルを磨く川柳
短歌と川柳とマカロニとというブログも始めました@bataです。どうか川柳ブログもお付き合いいただけま
-
-
「べき」を文末に使うのは誤り ~「あなたは毎日努力するべき」という使い方をしていませんか?
古文の授業でならった「べし」という言葉は、今日でも、意志や教訓を表す文章に用いられることがよくありま
-
-
「時を分かたず(ときをわかたず)」の誤用に注意 ~「すぐに」という意味ではない
「雨が降り出して、時を分かたず、彼は傘を持って飛び出して行った」 このように「時を分かたず」を
-
-
「大地震」「大震災」「大災害」 ~正しい読み方は「おおじしん」か「だいじしん」か?
「阪神淡路大震災」という表記の仕方だと、「大阪~神戸~淡路島」の被害が甚大で、明石は被害がなかったよ
-
-
【語るよ】神戸で一番”さん”付けで呼ばれるようになった会社の秘密【熱いよ】
まずは告知です。 会社を経営するなかで、実践してきたこと。 お客様の広告のお仕事を手伝うなか
-
-
「失笑」と「爆笑」の笑い方の違いについて ~誤用の多い失笑と爆笑の正しい意味は
「笑いを失う」と書くため「失笑」の意味を「笑いも出ないくらいに呆れる」「あざ笑う」と考えてしまうこと
-
-
尻をまくるの読み方と誤用に注意! ~お尻を出して逃げ出すイメージがありますが!?
「尻をまくる」という言葉があります。「追い詰められて、彼はとうとう尻をまくって逃げ出した」という風に
-
-
アンデスメロンの名前の由来 ~アンデス産ではなくダジャレだった
熱を出して苦しんでいた、子どもの頃のある日。 枕元にプラレールを並べて、甘いメロンを食べさせて