最高の学問を学べる場所は東京大学だからと最高学府(さいこうがくふ)という言葉を東京大学のことであると考えるのは誤用です。何故、最高学府という言葉が東京大学のことであると考える人が増えてしまったのでしょうか。
最高学府とは東京大学のことではない
最高学府とは東京大学のことではなく、大学全般のことを指します。
最高学府とは東京大学のことではなく、大学全般のことをいう
最高の学問を学べる場所ではなく最高程度の学問を学べる場所というのが「最高学府」の意味。確かにランキングで見ると東京大学がトップになることが多いので、最高学府という言葉は東京大学にこそふさわしいイメージがありますが、今ではすべての大学のことを表す言葉になっているので注意しましょう。会話をする相手の理解によっては、お互いの経歴について認識がズレてしまう可能性もありそうですね。
どうして最高学府が東京大学というイメージが広がったのか
最高学府という言葉が東京大学のみを指していう誤用が広がったのはどうしてなのでしょうか。
諸説色々ありますが、明治10年に創立され、明治30年に京都帝国大学(今の京都大学)ができるまでは東京大学が日本で唯一の大学でした。たった一つしかない大学、そこで最高の学問を学べるということから最高学府といわれるようになりました。ちなみに「学府」とは学問をするところという意味です。
現代では大学院がありますので、大学のことを最高学府と称して良いのかという議論もありますが、大学や大学院のことを総称して「最高学府」と呼ぶのが通常の使い方であるとされています。