「英気を養う」か「鋭気を養う」か。「えいきをやしなう」という表現は会話でもよく耳にしますが、実際に書こうとすると戸惑ってしまいます。
明鏡国語辞典第2版では、
「英気」の意味は(1)すぐれた才気、(2)大いに活動しようとする気力。
「鋭気」の意味は(1)するどい気性、(2)するどく激しい気勢。
と説明されていますが、これだけでは明確な違いを理解できず、次にまた「えいきをやしなう」場面でモヤモヤとした気持ちになってしまいそうです。
「英気を養う」か「鋭気を養う」か
「えいきをやしなう」は「英気を養う」と書く。
英気とは気力のこと。
「英気」はその人自身にある気力のこと、「鋭気」は目標に対する強い意気込みのこと。目標が存在する限りなかなか消えることのない意気込み(鋭気)ですが、気力や体力といったもの(英気)はその日その時のコンディションによって変動が大きいですよね。
疲れたから気力を取り戻す必要がある、だから休もうだから何か食べようという話になります。休んだり食べたりしても意気込み(鋭気)は大きく変わりませんが、積極的な休息によって英気(気力)は満ちていきます。だから、養うのは気力であるほうの英気であるというわけです。
さて、意味(イメージ)の違いはご理解いただけましたでしょうか。問題は「英気」と「鋭気」のどちらの漢字を使うのか思い出す方法ですが…。
ドラゴンクエストで覚える「英気」と「鋭気」の違いと覚え方
「英気」と「鋭気」の覚え方、ここから紹介するのは人気RPGのドラゴンクエストで連想する方法です。ドラゴンクエストを知らない方にはごめんなさい。
ドラゴンクエストの「ヒットポイント(HP)」は気力体力のこと。
英気の「英」は英語の「英」なので、ヒットポイントと紐づけておく。
ドラゴンクエストのヒットポイントは気力体力のこと。このHPは英語ですよね。「英気」にも英語の「英」が含まれます。この紐づけから「英気=ヒットポイント」と覚えておきます。
ヒットポイントは宿屋に泊まることによって回復します(養われます)。一方、竜王を倒すという強い意気込み(鋭気)は、たとえヒットポイントが1になったとしても失われるものではありません。強引な覚え方かもしれませんが、ヒットポイントは英語というフレーズを覚えておくだけで、宿屋~回復という連想に繋がり、自分の場合は思い出しやすくなりました。語呂合わせと同じ感覚ですね。
夏バテにウナギを食べる ~土用の丑の日に関する雑学
「暑い毎日が続くので英気を養いたいね」と、ビアガーデンに出かけたり精のつくものを食べたり。なかでも土用の丑の日に食べるウナギは有名です。
土用の丑の日 ~ウナギが関東は背開き、関西は腹開きである理由 | コトバノ以前、土用の丑の日に関する雑学としてこのような記事をアップしていますので、あわせてご覧いただけますと幸いです。