ご静聴とご清聴の違いについて ~ご清聴ありがとうございました
公開日:
:
140文字で変わるコミュニケーション, 140文字で変わる表現力 ご清聴, ご静聴
最近、人前で話をするときに「コナン君のモノマネをしまーす」と言って、「おい、コナーン」と元太くんの真似をしてみるのですがウケません。話をするときのツカミって大事だと思うのですが、難しいですね。次は蘭ねーちゃんの練習をしてみましょうか・・・。
ご静聴とご清聴は、実はよく間違われる言葉
今日は「ご静聴」と「ご清聴」の使い分けについて説明します。人前で話をしている人が、その締めくくりに「ごせいちょう、ありがとうございました」という言葉を使うのですが、この場合は、ご清聴とご静聴、どちらを使う方が正しいかわかりますでしょうか?
清聴とは、相手が聞いてくれることを敬う言葉
静聴とは、話を静かに聞くこと
スピーチや講演、プレゼンの最後に言うべきは「私の話を聞いてくれて、ありがとう」の意味である「ご清聴ありがとうございました」が正解なんですね。「ご静聴」は、ただ、静かに聞く意味を表します。「ご静聴ありがとうございました」と書いてしまうと、「最後までうるさくしないで、上手にきけまちたねーよちよち」なんてニュアンスになってしまうかも? 感謝は相手に対する敬意。注意して使い分けたい表現です。
では「ご静聴」はどんなときに使うのか?
使う場面はいくつかありますが、講演をした人が「ご清聴ありがとうございました」、その横で講演会の司会をしている人が「ご静聴願います」を使うことをイメージしておけば、使い分けのイメージがしやすいのではないでしょうか? 今から講演が始まりますので、皆さん、どうぞ静かに聞いてくださいね、というニュアンスですね。
書き言葉ではほとんど意識しない2つの表現
ご清聴もご静聴も、書き言葉としてはあまり使う機会はないかもしれません。ただ、スピーチの原稿などをチェックしていますと、この書き間違いがよく見受けられます。講演やスピーチなどで話した内容は、そのまま主催者やプレスに渡って、原文で紹介されることがあります。ツカミでスベルのも辛いですが、締まらない終わり方になってしまっても勿体ないので意識しておくようにしたいですね。
▼関連の深いこちらの記事もどうぞ▼
関連記事
-
-
丸いと円いの違いについて ~お雑煮のなかが丸い理由と三本締めの意味と
丸いと円いの違いについて。 丸いは立体的なもの 円いは平面的なもの たとえば、
-
-
「語るに落ちる」の誤用と意味と ~「語るほど価値のない人間だ」という誤った意味で理解していませんか?
「語るに落ちる」という言葉があります。「彼は悪いことばかりをして、もはや語るに落ちた」という風に、「
-
-
金子哲雄さんの遺著「僕の死に方 エンディングダイアリー500日 」を読んで。
「トップに立って妬まれるより、5,6番手がいい」とは金子哲雄さんの言葉。ポジショニングを意識すれば、
-
-
年賀状に「去年」という言葉を使ってはいけない理由 ~年賀状のタブーに注意
年賀状には句読点を用いてはならないという記事を以前書きましたが、今回は「去年」という言葉を使ってはい
-
-
スーパーで見つけてほしい、「2,3の法則」。
スーパーでラップに包まれて売っている魚。 よーく見てみると、「2匹」でパックされているものと「
-
-
「時を分かたず(ときをわかたず)」の誤用に注意 ~「すぐに」という意味ではない
「雨が降り出して、時を分かたず、彼は傘を持って飛び出して行った」 このように「時を分かたず」を
-
-
「打ち合わせ」とは雅楽に由来する言葉だった!
太鼓[/caption] 打ち合わせとは、物事がうまく進むよう事前に相談をすることですが、実
-
-
パソコンで使うマウスとミッキーマウスの不思議な関係 ~腱鞘炎防止のためのマウス
自分よりもずいぶん若い方と話をしていた時のことです。 「マウスの玉って、すぐにカスが溜
-
-
アイデアは、飲み会よりもドリンクバーで生まれるものだ。
お酒を飲みながらの打ち合わせ。 おいしい食事もいただけます。うまいお酒もいただけます。
-
-
10秒で分かるご冥福を祈ってはいけない理由 ~御霊前と御仏前のその違い
報道などでもよく「ご冥福をお祈りします」という言葉が使われますが、これは下記の理由により使わない方が