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「飲み倒す」の意味、間違っていませんか? ~「飲む」と「のむ、呑む」の違いについて

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「この店にあるお酒、全部飲んでやるぜー」というような意味合いで使われることの多い、この「飲み倒す」という表現。

「飲み倒す」とは「飲んだお酒の代金を払わないこと」で、たくさん飲むという意味はありません。また「飲みつぶす」とは「飲んで財産を失ってしまう」という意味。飲み過ぎて記憶が曖昧になってしまうという「飲みつぶれる」とは意味が違いますので、使い分けに注意が必要です(なにより、飲みすぎにはご注意ください)。

「飲む」と「のむ」「呑む」の違いについて

「飲む」と「のむ」の違いについては、液体の場合は「飲む」、それ以外の場合は「のむ」と表記するものとされています。

・お酒を飲む、がぶ飲みする、飲み干す ←液体なので
・条件をのむ、薬を丸のみする、息をのむ ←液体以外のものなので

辞書によっては小さな固形物を「のむ」ときも「飲む」を使うと書かれていることがありますが、口の中で噛み砕くことなく文字通り「飲むように」流しこむ場合に限って使われることもあるようです。液体以外のものは「のむ」と表記すると書きましたが、漢字の「呑む」は常用外とされていますので、出来るだけ使わないほうが好ましいとされています。なお常用漢字とは、現代日本語の表記の目安とされているもので、使ってはいけないという意味はなく、個々の表現にまで影響を与えるものではありません。また、過去の著作や文書における漢字使用を否定するものでもありませんので、たとえば「清濁併せ呑む」「固唾を呑む」などのことわざの表記を改めることは今後ともありません。

お酒を飲み過ぎて、飲みつぶすことのありませんよう。
そして、くたびれた身体を癒すべく、薬をのんでばかりになりませんよう、ご自愛くださいね。

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宴席でのちょっとした雑学になりますでしょうか。あわせてご覧いただければ幸いです。
(2014/2/10追記)