年賀状に「去年」という言葉を使ってはいけない理由 ~年賀状のタブーに注意
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最終更新日:2014/10/27
140文字で変わるコミュニケーション, 140文字で変わる表現力 タブー, 年賀状, 忌み言葉
年賀状には句読点を用いてはならないという記事を以前書きましたが、今回は「去年」という言葉を使ってはいけない理由について説明します。
年賀状に「去年」という言葉を使ってはいけない理由とは
年賀状は新年を祝う言葉で挨拶を行い、これまでの感謝とこれから始まる一年に厚情をお願いする気持ちを伝えるために書くものです。挨拶とは相手を敬う気持ちを含めるものですので、不遜な表現、忌み言葉と呼ばれるものは用いないのが原則です。
「去年」の「去」という時は離別死別(=去る)を連想させる忌み言葉なので年賀状には用いない。
逝去という言葉で用いられている(※「弊社社長が逝去いたしました」という言葉を使ってはいけない理由)ことからも分かる通り、「去」という字は死を連想させる忌み言葉なので年賀状では用いてはいけません。年賀状では「旧年」「昨年」という言葉で前年のことを表現するので覚えておきましょう。
また、年賀状は元々、新年の挨拶を行えなかった相手に対してのみ書面で送るものでした。口頭での挨拶に代わるものが年賀状で、その年賀状のなかで忌み言葉を使ってはならない。ということはつまり、「あけましておめでとうございます」で始まる新年の挨拶の会話のなかでも去年という言葉は用いるべきではないという連想が成り立ちます。
そこまで神経質にならないでも…という気もしますが、お付き合いをお願いする人の立場や考え方によっては配慮ができるようでありたいですね。
年賀状や寒中見舞いに関する言葉のあれこれ
年賀状を書くときに「賀正」や「迎春」という言葉は使わない方が無難かもという話を以前に紹介しています。
謹賀新年の意味 ~「賀正」「迎春」の漢字一文字や二文字の年賀状は目上の人に使ってはいけない | コトバノ
また、「松の内」「寒中見舞い」に関する知識や注意点など、これまでに年賀状のことで書いてきた記事をまとめていますので参考にしてみてください。
松の内はいつまで ~関西と関東で異なる「松の内」の期間と「寒中見舞い」を送る時期と | コトバノ
年賀状や切手、ハガキをクレジットカードで購入するお得な方法 | コトバノ
暑中見舞いや年賀状に句読点があってはならないその理由 | コトバノ
余談ですが、年賀状の印刷を印刷屋さんに頼むときに写真の見栄えを良くしようと「コート紙」を選択される方もいらっしゃるかと思います。コート紙は手書きで何かを添えたいとき、ボールペンでは書き込みにくい場合がありますのでお気をつけください。
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